石井ゆかりが2026年の蟹座の運勢を読み解きます。1年間のテーマや時期についてなどたっぷりの内容でお届け。2026年のお守りとして、ぜひ参考にしてください。
2025.12.25
2025年半ばから2026年半ばにかけて、蟹座のもとには約12年に1度の「人生の一大ターニングポイント」を示す星・木星が巡ってきています。ゆえに2026年前半はめいっぱい、「一大ターニングポイント」です。
人生を変えるような大きな決断をする人もいれば、既に決断は終わっていて、後は計画されたアクションを粛々と実行するのみ! という人もいるでしょう。人生において目立つ出来事、たとえば引っ越しや転職、独立、結婚や出産その他、「あの時、あんなことがあったね!」と後ですぐに思い出せるようなイベントが、おそらく連動して起こります。
年の半ば以降は、経済活動が盛り上がる時間となっています。平たく言って「金運のいい時」が、2027年半ばまで続きます。新しい収入の途を切り拓く人もいれば、臨時収入などを手にする人、大きな買い物をする人もいるでしょう。
あるいは、手に職をつけるとか、特技をビジネスにつなげる人もいるかもしれません。何か価値あるものを手にすることができる時ですし、新しい価値を生み出すことができる時期でもあります。
2026年はそんな風に、豊かで、どちらかと言えば華やかな時間です。ですがこの時期のあなたは、明るく軽やかな気持ちではないかもしれません。どちらかと言えば「おごそかな気持ち」あるいは「凛とした気持ち」でいるのではないかと思います。
というのも、2026年からのあなたは、社会的により大きなものを引き受けることになるからです。
責任が重みを増しますし、立場がひとつかふたつ、あるいはもっと、上にあがります。
多くの人をまとめる立場に立つ人もいれば、「大黒柱」のように、一家を背負って立つ人もいるでしょう。
大きな目標を目指し始める人もいるかもしれません。ビッグプロジェクトに参加する人もいるかもしれません。独立して、自分の世界を作り始める人もいるでしょう。自分の信じるところに従って行動した結果、「みんな」の輪の外側に出ることになるかもしれません。
立場が変われば、自分自身に対して抱くイメージも変わります。セルフイメージが変わり、アイデンティティが変わります。
この変化はおそらく「自然にそうなる」ものというよりは、あなた自身が意志を持って、自ら選んで起こる変化です。つまり「こうなろうと思って、そうなる」変化なのです。
ですからもちろん、「どんな変化も選択しない」「何も選ばない」という選択もあり得ます。ただしこの時期はおそらく、誰かが指示をくれたり、答えを教えてくれたりすることはないかもしれません。
あるいは指示をもらえても、何か突拍子もないものだったり、自分に合わないものだったりするかもしれません。
この場合、自分なりに何とか工夫したり、拒否したりする必要が出てきます。この「工夫」や「拒否」は、自発的選択のひとつと言えるでしょう。
用意してもらった席に座るのではなく、自ら椅子を作って座る、というところに、この時期の特徴があります。幼い頃は誰かが置いてくれた椅子にかければそれでいいのですが、大人になってからは、そうはいかない場面が多々あります。
中には2026年、「この椅子は、自分で選んで座った椅子だっけ?」と自らに問いかける人もいるだろうと思います。もしそうでない場合は、別の椅子を探すか、あるいは、新たに作ることになるかもしれません。
1月は人間関係に熱がこもります。2025年12月半ばからタフな交渉を続けてきた人は、1月中に着地点を見出せるでしょう。愛と情熱の両方を燃やして、人と関われる時です。パートナーと協力して取り組むべきテーマが出てくるかもしれません。
1月半ばから3月頭は、経済的な関係が動きます。関係者やパートナーの経済状態に変化が起こり、そこから間接的な影響を得て、自分の懐が潤う、といったこともあるかもしれません。
また、1月末から2月にかけて、社会的立場が大きく変わるかもしれません。大きなミッションを引き受けるとか、肩書きが変わるとか、今までいた場所から離れるとか、働き方を大きく変える決断をするなど、なんらかのハッキリした動きが起こりやすい時です。
2月から4月半ばは、遠出の機会が増えそうです。懐かしい場所への再訪もあるかもしれません。知的活動にも追い風が吹きます。いくつかの制約が消えて、のびのびと活動できるようになる人も多そうです。
3月下旬から5月中旬にかけて、非常に忙しくなります。大チャンスを掴む人もいれば、責任の重さに押しつぶされそうになりながら、必死に食らいついていく人もいるでしょう。2025年半ばに一度挑戦したことに、ここから本格的に取り組むことになる可能性もあります。かなり目立つポジションに立つことになるかもしれません。
4月は「人に恵まれる」時期でもあり、情意の多忙さ、任務の重さをサポートしてもらえそうです。大きなことに取り組んで大変な思いをしていても、気持ちは明るく、周りは陽気で、希望を持って活動できそうです。
5月下旬から8月上旬までは、2025年からの「一大ターニングポイント」のまとめや仕上げの作業が発生します。ここまでに起こったビッグイベントの「後処理」のようなことに取り組めます。やり残したことをやりきったり、忘れ物を取りに戻ったりする場面があります。
6月半ばからは約1年の「獲得と所有の時間」、平たく言って「金運がいい時間」となります。ここで多くの価値あるものを手に入れられるでしょう。ただし、気が大きくなる時期でもあります。お金に関して過度に楽観的になってしまうと、収支が合わなくなる可能性も。計画性を大切にしたいところです。
6月末から8月上旬は、かなり大きな問題がドラスティックに解決しそうです。びっくりするような状況の変化と共に、長い間の悩みが消え去るかもしれません。
8月中旬から9月は、熱い闘いの季節です。新しいことを始める人もいれば、「自分自身との闘い」に臨む人もいるでしょう。自分を変えたい人にとっては、チャンスです。
9月中旬から年明けにかけて、楽しいことの多い時期です。遊びや趣味に勢いが出ますし、クリエイティブな活動に取り組んでいる人には、チャンスが巡ってきます。恋愛や子育てにも強い追い風が吹きます。
9月末から11月は、経済活動において「勝負」に出る人が多いでしょう。思い切った行動を起こせます。ただ、この時期は射幸心を煽られるようなこともあるかもしれません。お金と興奮が結びつくと、かなりキケンです。時リスクを取ることも必要ではあるのですが、リスクについて冷静に理解すること、「守り」を考えることも重要です。
11月末からは、外出の機会が増えそうです。突発的に旅に出るような場面も。普段から「いつでも出かけられる」心の準備を。
2026年はとにかく「人生の一大ターニングポイント」なので、愛も「動く」時間と言えます。運命を感じるような出会いがあるかもしれませんし、パートナーを得る人、結婚する人、子どもを授かる人も少なくないでしょう。
既に2025年の半ばからそのプロセスに入っている人もいれば、2026年前半にきっかけを掴む人もいるはずです。
特に愛に追い風が吹くのは、5月半ばから6月半ば、9月中旬から2027年1月頭です。
特に秋は、「失った愛が蘇る」ような展開もあるかもしれません。
2026年は、社会的立場が変わる年です。2025年の中で既にその兆候があったかもしれませんが、これが2026年に入って、一気に本格化します。
こういう時、プライベートの扱いは多少、難しくなります。自分にどんなことが起こっていて、今何が大変か、パートナーや恋人に「わかってもらう」ことは、それなりに手間暇がかかるからです。
また、忙しさのあまりすれ違いが生じたり、相手のプライドを傷つけるような言動をしてしまったりする場合もあります。
一般に、社会に向かう気持ちがある一方に、身内に向かう気持ちもあるはずなのですが、その感情表現が足りなかったり、コミュニケーション不足があったりすると、だんだんに望まない現象が増えていきます。ゆえにこの時期は特に、愛のコミュニケーションが重要性を増します。
愛の世界では、必要とされること、頼られることを、多くの人が望みます。愛されたい、頼りたい、甘えたい、という思いと同じくらい、頼ってほしい、相手に何かしてあげたい、という渇望があります。
両方の渇きを満たすような関係を作るために、多くの人が努力を重ねます。この努力は必ず報われます。おそらく大切なのは、両方の渇望を見失わない、ということなのだろうと思います。2026年は特に、蟹座の世界で、このことがポイントになりそうです。
誰かが就職することを不思議がる人はいませんが、ボランティアをするとなるとたいてい、「動機」を聞かれます。報酬がないからです。職に就くのは報酬を求めたいからで、どんなに「志望理由」を飾る人も、無償なら応募しません。
一方、ボランティアは最初から無償です。ゆえに「どんな見返りが欲しいのか?」と聞かれます。聞かれた方はたいてい、体験ややりがい、社会への貢献など、様々な理由をあげ、「お金はもらえないけれど、他にちゃんと得るものがあるからだ」と答えます。時には「ひまつぶしだ」などと応じる人もいます。
ボランティアのような、社会的に「できあがった」ものでなくとも、そういう行動はいろいろあります。人をふと助けたり、落ちているものを拾って事故を防いだりする人がいます。困っている人を見過ごせば、後でずっと気になってしまうから助ける。自分も助けてもらったことがあるから、助ける。人の心には複雑な仕組みがあって、その仕組みの中で、時に大きな犠牲を払う人がいます。
日本の昔話に「かさこ地蔵」という話があります。大晦日、傘を売りに出かけた貧しい老爺が、売れなかった傘を持ち、町から村へと帰る途中、雪に埋もれて並ぶお地蔵様をあわれに思い、笠をかぶせてやります。
家に帰って老妻とこのことを笑い合い、床に就くと、深夜、地蔵が訪ねて来て、餅や小判を置いて行ってくれるのでした。
こうした物語では、最初に払った犠牲と、もたらされる「恩返し」は、等価ではありません。
たいてい、「恩返し」の方がずっと高価です。犠牲を払った側の人生全体が救われることもよくあります。
親切にされた側が、そのくらい大きな喜びを感じた、という表現なのかもしれません。あるいは、施した人の善い心を高く評価した、ということなのかもしれません。
または、恩を返す側が、人間社会の経済尺度を共有していないから、なのかもしれません。こちらのものさしと「あちら」のものさしが違っているため、そのようになるのかもしれません。
いずれにせよ、石でできた像に「寒かろう」と考えることも、手持ちの財産である傘を全て提供することも、どこか、常識的ではありません。犠牲を払うということには、そうした「一般常識の枠組みからはみ出る」ような、過剰な部分が含まれています。そして、返礼もまた、世間的な尺度から見れば、過剰です。どちらも、世間の枠組みには、おさまっていません。つまり「自由」です。
2026年、蟹座の人々はおそらく、そんな経験をすることになるのではないかと思います。してあげることも、受け取るものも、常識から容易に想像できる枠組みからはるかにはみ出して、過剰になります。
このような動きは2027年まで続きます。一般的な常識に当てはまらないことをする時、私たちは激情に突き動かされているか、あるいは、とても深く考えています。
2026年の蟹座の人々について言えば、どちらかと言えば、後者なのだろうと思います。誰に従うこともなく、一人深く考えるからこそ、その選択ができるのだろうと思います。あのおじいさんがお地蔵さんに笠をかぶせる自由、それに似た自由を、蟹座の人々は何度か、これから重ねていくことになるはずです。