2023年
水瓶座の2023年は「北風と太陽」のお話の後半のようです。
どちらがうまく旅人の外套を脱がせられるか、北風と太陽が勝負をしたのです。
まず北風が、旅人に強く吹き付けて、冷たい風の力で旅人の外套を吹き飛ばそうとしました。
すると旅人はぐっと外套をかき寄せて、飛ばされないようにしっかり掴み、歩を緩めずに旅を続けました。
次に、太陽が旅人を燦々と照らしました。
すると旅人は暑さを感じ、汗をかきながら、たちまち外套を脱ぎました。
2020年頃から、あなたに強く吹き付けていた北風が、2023年にやみます。
かわりに熱い太陽光があなたを照らし、あたためてくれるのです。
これまであなたの心には、何か冷たいものがずっと、居座っていたのではないでしょうか。
警戒心、恐怖心、孤独感、無力感、虚無感。
悲観主義や過剰な完璧主義、自己否定等々、心の中に一切の光が射し込まず、自分が毎日なぜこんな苦労をしているのかわからないまま、それでもとにかく、少しずつでも進むことをやめなかったあなたがいるだろうと思うのです。
そんな孤独な前進が、2023年前半に終わりを告げます。
そのかわりにあなたを包み込むのは、誰かの愛情や、家族の優しさや、居場所のあたたかさや、内なる熱い情熱などです。
この「あたたかいもの」たちは、多分、タナボタのように落ちてくる幸運ではないと思います。
これらの熱、あたたかさは、2022年8月以降のあなたの奮闘から生まれてきたものなのです。
というのも、2022年8月末から2023年3月、あなたは勇気を振り絞って、徒手空拳で火を熾そうとするように、自ら何か素敵なことを追い求め、道を切りひらいているはずなのです。
一般に、人に話しかけたり、自分を表現したり、何か新しいことを始めてそれを人と共有しようとしたりすることは、とても勇気がいります。
愛を探したり、愛のアプローチをしたりするのも、勇気のいることです。
それは、何もないところに火を熾すのと同じことです。
石をぶつけたり、木の枝をこすり合わせたり、何かしら力や衝撃を加え、摩擦を起こさなければ、炎は生じません。
人の心を開いたり、心と心の結びつきをつくったり、自分の衝動を相手にも共有してもらったりすることは、力をかけ、衝撃を加え、摩擦を起こし、自分自身が傷つくリスクを負って行動し続けないと、実現しないのです。
2020年から吹き付けてきた「北風」はもしかすると、あなたのそうした「勇気」を鍛え上げてくれたのかもしれません。
自らの力によって、あなたは今、世界とあなたの間に、あたたかな火を熾しつつあります。
その火は2023年のあなたの世界全体をあたため、さらにあなたの周りの人たちをもあたため始めます。2023年半ば以降、あなたがつくる「居場所」の真ん中の暖炉にも、その火が入ります。