今年の占い

2023年

「絶対」の対義語は「相対」です。
「相対的に」とは、何かと他の何かを比べて、どんな差があるか、どう違うか、ということを語る時の言い方です。
一方「絶対」は、比較したり、取り替えたりできないことを言います。ほかにどんなオプションを提示されても、状況がどんなふうに変わっても、「絶対」なものは「絶対」で、変えられないし、揺るがないのです。
「自分は絶対にこれを選ぶ」と言ったなら、それはもう、「選択」ですらありません。それはあらかじめの決定のようなもので、そもそも他のものと比べて選んだりしていないのです。ほかにどんないいものがあろうと、他の選択肢を選ぶ余地がこれっぽっちもないのです。それが「絶対」です。

2023年の蠍座の世界には、絶対的なものがたくさんあります。
あるいは「これは絶対的なものだ」と気づかされていくルートに乗る、ということなのかもしれません。
たとえば、他人から見ればどの猫も犬も似たり寄ったりですが、飼い主から見れば「その猫」は絶対的に「その猫」で、他の猫と簡単に取り替えたりはできません。
いわゆる「ペットロス」と言われる悲しみに打ちひしがれている人に、「また新しいペットを飼えばいいのでは?」と声をかけることがナンセンスなのは、そのためです。
第三者から見れば、犬や猫は相対的な存在です。でも、一度その対象に愛を注いでしまった人にとっては、他の犬や猫と、自分のそれとは違います。
子供が何人もいても、そのうちの一人を失えば、親は悲しみに沈みます。「鬼子母神」のお話には、一つの真実が織り込まれています。
愛は「絶対」を創り出します。絶対的なものでつくられた幸福は、強靱で、揺るぎなく、真に充実しています。
絶対的なものでつくられた幸福を生きたことがある人には、ある種のどっしりした揺るぎなさと、不思議な自信が感じられます。

2023年の蠍座の「絶対」は、様々な生活のシーンに根を張ります。
「絶対にここだ」と思える居場所を見つける人もいるでしょう。
「絶対にこの人だ」と思えるパートナーを得る人もいるでしょう。
クリエイティブな活動において「絶対にこれを完成させるぞ!」と決意する人もいるでしょう。
「自分の任務はこれだ」と決める人もいるでしょう。
何らかの世界観、場所、人間関係の中に、あなたは絶対的に根を下ろすことになります。そこからはもう、簡単に離れたり、やめたりすることができません。
「つぶしがきく」ような選択は、2023年のあなたとは無縁でしょう。
ほかのものとなど決して取り替えたくないし、取り替えないぞ、と思えるようななにごとかを、2023年のあなたはその手に掴むでしょう。あるいは、2023年中にそれが「確定」しなかったとしても、遅くとも2026年頭頃までには、そのことが「確定」するでしょう。そこまでの道のりが、2023年から始まっているのです。

絶対的なものを決めたら、それに縛られて、不自由になるのではないか。
「変更できない」ような決断など、怖くてできない。
たとえばそんなふうに感じる人もいるかもしれません。
でも、現実には、「絶対」が決まっている人ほど、自由な人はいません。
「絶対」に縛られて不自由になる人は、その「絶対」が「ゴマカシ」「偽り」である可能性があります。
自分で自分に嘘をつき、納得している振りをしている場合、その「絶対」は確かに、本人を苦しめます。
そうではない、真に自分の心に根ざした「絶対」を持っている人は、その「絶対」を空気や重力のように享受し、自分の自由の支えにできるのです。
2023年のあなたが手にする「絶対」は、ある意味において「自由へのチケット」と言えるのです。


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