今年の占い

2023年

何が欲しくて、何が必要で、どれを手に入れればいいか。
欲しいものを欲しいと言っていっていいのか。
これはワガママなのか、そうでないのか。
なんでもガマンするのが正しいのか。
欲望は、悪なのか。贅沢は、悪なのか。
やりたい放題やっている(ように見える)人々に、なぜこんなに腹が立つのか。
欲しいものが何もないのは、どうしてなのか。
欲しいと思うべきものを欲しいと思えないのは、なぜなのか。
そもそも、自分がこれを欲しいと思う気持ちは、どこからくるのか。
欲して手に入らなかったら深く傷つくから、欲しいと思うこと自体をやめるべきだ。
自分が欲しているのは「欲される」ことで、そこに無限ループが生じてはいないか。

「欲望」にまつわる問いを考えてみると、山のように降り落ちてきます。
自分の内なる衝動と「他者の目」とが絡まり合って、互いにずっと傷つけ合っているような風景が、そこに見えてきます。

人の「悩み」は結局は、たった3つのテーマに集約されると言われます。
すなわち、健康、人間関係(愛を含む)、そしてお金です。
どれも私たちの欲望から発する「悩み」だと考えることもできます。
人間は健康な体が欲しく、愛や信頼関係が欲しく、そして、富が欲しいのです。
もとい、今の世の中では、「欲望」とはとても呼べないようなことの方が悩みの主流であるように思われます。
「たくさんの富が欲しい」のではなく、家族と自分が安定して食べていけるだけの収入が欲しいのです。ありあまる元気が欲しいのではなく、ただ体の痛みやしんどさがなくなって欲しいだけなのです。大それた愛が欲しいわけではなく、ただ尊厳を傷つけられたり、心を踏みにじられたりしたくないだけなのです。
こうした悩みを抱えた時、とりわけ「欲すること」は悪のように見えます。
ただ生きていくためにあれもこれも足りなくて呻吟している自分の目の前で、すでに充分以上に持っているように見える人が「もっとたくさん欲しい」と言っていたら、怒りが湧いてきて当然です。

それでも。
本当は、人間は本当にたくさんの欲望を生きているものなのだと思うのです。
世間の目というとげとげにつつかれ、自分の欲望をひた隠しに隠しながら生きているうちに、何が欲しくて何が必要なのか、本当のことがわからなくなります。
こんなものはそれほど欲しくない、と言いながら、当のそのモノを山ほど持っている人は、決して珍しくありません。
「自分は、ムダ使いはそれほどしていない」と感じていても、第三者から見ればムダの塊のような生活をしていたりするのです。
自分が欲しくて仕方がないものを持っている他者を密かに妬み、「そんなものを持っているのは悪だ」と糾弾する人もいます。この「妬み」の感情に、この人たちの多くは、気づいていません。
こうしたことはほとんど無意識に行われているか、その人の視界においては「なかったこと」「ちょっとした脱線」「小さなエラー」と見なされています。本質的なことではない、大したことではない、ということになっているのです。
こんな不可解な、認めがたい「欲望」を、私たちはどうすればいいのでしょうか。

2023年、山羊座の世界では、「欲望」がストレートに流れ出します。
何かを欲しいと思う気持ち、何かを求める気持ち、何かを知りたいという気持ち、何かを手に入れようとする衝動が、歪みなく、ねじまがらず、傷つけられも踏みつけられもせず、まっすぐに自分の心の中から外界へと流れ出すのです。
さらにその流れは血流のように、生活全体、今ある人生全体をさらさらと環流し、あなたの世界を活き活きと活気づけます。
今まで否定されていた衝動が肯定され、閉じ込められていた思いが解放され、罰されていた心が許されて、花のように生活が「開く」のを感じられるでしょう。

人を愛したいという思い、人から愛されたいという思い。
心に響く何かを「自分のものにしたい」という思い。
「禁止」が解除され、それらの思いが自然に生活の中を流れ出した時、あなたを取り巻く風景全体が、豊かな、豊饒なものへと変わっていくでしょう。
2023年、あなたの心の中と、あなたを取り巻いている景色とは、連動し、一体化しています。あなたが目にする美しいものがそのまま、あなたの心の中にあるのです。


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